考え中。

2002年9月24日
マクロスプラスの映画版サウンドトラックに、WANNA BE AN ANGEL という曲があるんですが、その曲の歌詞の冒頭がこうなっているんです。あ、本物の歌詞はフランス語か何かで、読んだのは訳詞ですが・・・

世界中に言いたいの
私はあなたのもの
今なら天使にだってなれる

曲を聴きながらこれを読んだとき、背筋がゾッとしたのを覚えています。

いや、まー、曲調から来るものの方が大きかったような気もしますが。

でも、なんでこの歌詞で?と思っていたわけです。
フツーの恋愛の歌ちゃうんかと。

いや、ちゃいますけど。

しばらく考えて気が付きました、てか、一瞬で気づけよとも思いますが。

「私はあなたもの」といいたければ”あなた”にだけ言えばいい話です。

世界中に言いたいってことは、要は世界中にその想いを認めさせたいって事。それはどちらかというと「あなたは私の物」といっていることに近いような気がします。

そして「今なら天使にだってなれる」、という言葉にも・・・・つと、これはすこし歌詞を読み進めてからにしましょう。

いーや、最後までいっちゃいましょう。

小鳥たちが騒いでいる
今日の予報では太陽が一億振るでしょう
息が詰まるほどのまぶしさ
だってあなたに恋をしたから

あなたの口から全てを知りたいの
海の深さ、空の高さ、青の謎
すばらしい不思議に満ちたこの景色
だってあなたに恋をしたから

世界中に言いたいの
私はあなたのもの
今なら天使にだってなれる

天使はあなたを取り巻く無知な人々とも上手に折り合うの
人生は短いから

世界中に言いたいの
私はあなたのもの
楽園にたどり着いたの

てか、こんなんのせていいんでしょうかね。
まあ、いいということにしておきましょう。

すごいこと言ってます。
「太陽が一億降るでしょう」
などの文句で自分がいかに幸福であるか、”あなた”に恋をしたことで満たされるか。



「あなたの口から全てを知りたいの」
とかっつって、”あなた”を神格化さえしている。

そこまで言っているのに、この詩にはどこにも”あなた”の主体が無い、「全てを知りたい」で「全てを教えて欲しい」ではない”あなた”とのふれあいみたいな言葉も無い、すんごく一方的な訳です。

とか思ったけど、一方的な恋の歌って結構あるよなあ。けど、ここまでってのはあれなわけで・・・・(だんだん分からなくなってきた)

最後には
「天使はあなたを取り巻く無知な人々とも上手に折り合うの」といっているわけです。

これはもー怖い
「付き合ってる奴いるから」とか言えないわけです。

んで、曲は新井昭乃さんの抜けるような高音でひたすらキレイなメロディー(もっとましな表現はできんのか)

その曲の美しさが、逆に無垢な悪意のようなものを表現しているわけです。

いやまあ、音楽とか言うの物をそんなふうに一意的に解釈すべきではないし、出来ないことも分かってるんですが、なんかどうしてこの曲を聴いてあんなに怖かったのか分かったつもりになって面白いし、そういう理解が、いつまでも始めに感じたものと重なる事が無いってのも面白いなーと。それだけ。

一時間以上かかって、僕は何をしているのでしょう?


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